はじめに
研究結果がある程度出て、学会発表はしたけど論文執筆がなかなか進まないということはあると思います。
その一つの要因が、母国語ではない「英語」での執筆が必要なことですよね。
これについては、近年翻訳アプリが発達してクリア出来てきているかもしれません。
さらに、論文化するには、自分の研究をどのように論理的に説明すれば伝わるのかという論理構成が重要です。
これについては、これまで上司や同僚とディスカッションしながら構築することが多かったのではないでしょうか?
しかし、「ChatGPT」を使えば論理構成も自前でできるようになりました。
今回は、私がやっているChatGPTとDeepLを使った論文執筆を紹介します。
※特に無料で使えるGPT3.5の場合になるので誰でも使いやすいと思います。
DeepLについて
DeepLは、機械翻訳に特化した先進的な翻訳サービスで、ディープラーニング技術を駆使しており、他の多くの翻訳サービスよりも高い精度を提供しています。
アカウント登録を行えば、無料で5,000文字以内のテキストの翻訳が可能です。
文章を日本語で考え、DeepLで翻訳を行えば、自然な英語にしてくれます。長文にも対応しておりとても有用です。
翻訳文にカーソルを合わせると他の翻訳文(単語)を提案してくれるので、自由に修正ができる。
使用のポイントを以下に挙げます。
- 翻訳はパラグラフ単位がおすすめ
- 翻訳前の日本語も英語の直訳っぽく記述
- 翻訳文を見ながら一つ一つ意図通りに修正
- 翻訳文を逆翻訳にかけて、日本語で読んで不自然じゃないかチェック
DeepLを使えば、「英語」に対する障壁はだいぶ低くなったと思います。
ChatGPTの活用
英文校正
DeepLで文章を作ったけど、本当にこれで合っているかな、もっと「こなれた感」を出したいなという場合は、ChatGPTを使います。
使い方は別のページで書いているので割愛しますが、これもパラグラフごとの入力がおすすめです。
※全体の論理構成もチェックする場合は、1章丸ごと入れる必要があります。
ChatGPTによる「導入」の章の提案
研究を進めて、結果が出ていると、「方法」、「結果」の章に関してある程度文章書くことは決まってくると思います。
しかし、「導入」、「考察」に関してはどのような形、自分が見出した結果に結びつけて説明していくか難しいです。
この時、ChatGPTに相談すると良い案を出してくれます。
- 自分で導入に書くべき内容を考え、箇条書きして入力
- 自分で一通り本文を書いて、英文校正を兼ねて内容をブラッシュアップしてもらう
- 結果を入力して、背景を考えてもらう
以下にプロンプトの例を示します。
以下のような研究結果を書きました。これに対応するように研究の導入部分を考えてください。
[研究結果の本文または本文のまとめを挿入]
導入の構成は以下のようにしてください
- 研究の一般的背景(研究分野におけるトピック)
- 本研究と関連した先行研究(論文を3〜5個紹介)
- 先行研究の限界と取り組むべき課題
- 本研究の目的
なお、以下の点に注意してください。
・導入は全体を俯瞰した視点から始まり、本研究が目指す特定の視点までを外観し、読者をこの論文の目的に導く必要があります。
・最近の総説記事など、独創的で重要な論文をいくつか引用しながら、研究の基礎となっている主要な科学出版物を紹介してください。
・原稿が論理的に流れるようにしてください。
・仮説と目的は、序文の最後に明確に記載する必要があります。
・章分けせずに記述してください。
ChatGPTによる「考察」の章の提案
「考察」に関しては、自分で結果の本文を書き終わってからであれば比較的簡単です。
以下にプロントの例を示します。
以下のような研究結果を書きました。これに続く考察を考えてください。
[研究結果の本文または本文のまとめを挿入]
考察の構成は以下のようにしてください
- 結果の概要
- 先行研究との対応(先行研究との類似点と相違点)
- 本研究の解釈及び本研究の貢献
- 研究の限界
- 結論
なお、以下の点に注意してください。
・結果が裏付ける範囲を超える記述は避けてください。
・考えられる解釈についての推測は許可されていますが、それらは想像ではなく事実に基づいている必要があります。
・「はじめに」で書かれた内容と対応づけてください。
・新しい用語やアイデアを突然導入することは避けてください。 ここで結果に直面するには、導入部分ですべてを提示する必要があります。
このプロンプトは一例に過ぎませんが大枠は作ってくれるのでここから修正を始めると良いでしょう。
論文自体の書き方としては有名雑誌が解説をしてくれているので参考になると思います。
おわりに
私の場合は、DeepLにしてもChatGPTにしても、何回も繰り返して行ったり来たりすることでだんだん良い文章になるように感じます。
これはかつてはコレスポになる共著者と何度も修正してはメールで行ったり来たりしているのと近いと思っています。
それよりも明らかに迅速に修正を提案してくれるので、論文執筆のスピードは上がっているかもしれません。