はじめに
研究者にとって、文献検索は日々の研究活動における重要なタスクの一つです。Google Scholar(グーグルスカラー)は、その強力な検索機能と利便性の高さから、多くの研究者が利用していると思います。しかし、基本的な検索機能しか使っていないと、その真価を十分に発揮できません。
本記事では、Google Scholarを最大限に活用するためのテクニックや、研究成果の可視性向上の方法を解説します。
Google Scholarの基本機能
Google Scholarとは?
Google Scholarは、学術論文や書籍、特許などを検索できる無料の学術検索エンジンです。Googleの検索アルゴリズムを活用して、世界中の研究成果を効率的に探索できます。

基本的な検索方法
- キーワード検索:単純に単語で検索可能。
- 引用符(” “)を使う:フレーズ検索が可能。
例:”cognitive behavioral therapy for schizophrenia” のように使用すると、特定の治療法に関する文献を効率的に検索できる。引用符(” “)を使わずに cognitive behavioral therapy for schizophrenia と検索した場合、それぞれの単語を含む論文はヒットするが、単語の並びが異なる場合や、別々の文脈で使用されている論文も含まれる。そのため、フレーズ検索を使うことで、より関連性の高い論文をピンポイントで見つけやすくなる。
- マイナス(-)記号を使う:特定の単語を除外。
例:depression -bipolar と検索すると、「depression」を含むが「bipolar」を含まない論文のみが表示される。
- OR検索(ORを大文字で記述):いずれかの単語を含む検索。
例:depression OR anxiety と検索すると、「depression」または「anxiety」のどちらかを含む論文がヒットする。
Google Scholarを活用した文献検索のテクニック
高度な検索機能
Google Scholarには、検索精度を向上させるための高度な機能が備わっています。
検索オプションから、著者、出典、期間を指定することが可能です。

被引用数を活用する
被引用数が多い論文は、その分野で影響力のある研究である可能性が高いです。検索結果の「引用元」をクリックすると、その論文を引用している他の論文を表示できます。
例えば、「うつ病」と「TMS(経頭蓋磁気刺激法)」に関する重要な論文を探したい場合、まず “transcranial magnetic stimulation” AND depression で検索し、被引用数が多い論文に注目し、その「引用元」をクリックすると、その論文を引用している他の論文が一覧で表示されます。これにより、最新の研究や関連性の高い論文を見つけることができます。

引用文献を見てみる。

関連記事の参照
Google Scholarでは自動的に関連記事を紹介してくれています。もしとても関心がある文献があれば、その関連記事から探していくのも必要な文献を見つけるための近道になるかもしれません。

Google Scholarのアラート機能を活用する
Google Scholarには、新しい論文や特定のトピックに関する最新情報を自動で通知してくれるアラート機能があります。これを活用することで、研究分野の最新動向を効率的に把握できます。
アラートの設定方法
Google Scholarのホーム画面左上の3本線をクリックして出てくるバーにある「アラート」から設定を始めます。

「アラートを作成」ボタンをクリック。
ボックスに関連ワードを入れて、
「アラートを作成」ボタンを押せば完了です。
アラート機能の活用テクニック
通常の検索と同様、単純にキーワードを入れただけだと無数に通知が来てしまうためお勧めしません。
例えば、特定の著者、特定の雑誌などを指定することでアラートの精度が上がります。
通常の検索と同様、””やAND、ORを駆使して設定してみてください。
例えば、
[schizophrenia OR depression] AND “cognitive behavior therapy” AND [“JAMA Psychiatry” OR “The American Journal of Psychiatry”]
といった感じで作成すると良いでしょう。
研究成果の可視性を向上させる
Google Scholarプロフィールを作成する
Google Scholarには、研究者向けのプロフィール機能があり、自身の研究業績を一覧化できます。プロフィールを作成することで、以下のメリットがあります。
- 自身の論文がより多くの研究者に見つけてもらいやすくなる
- 被引用数の変化をリアルタイムで確認できる
- 同分野の研究者とネットワークを構築しやすくなる
定期的にプロフィールを更新し、最新の論文情報を追加するようにしましょう。
Google Scholarと他の学術検索エンジンの比較
検索エンジン | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
Google Scholar | 幅広い文献 | 無料、検索範囲が広い | 網羅性が不明確 |
PubMed | 医学・生命科学系に特化 | 無料、高品質な論文が多い | 他分野の研究には向かない |
Web of Science | 厳選された学術データベース | 引用分析が可能 | 有料サービス |
Scopus | 多分野の網羅的なデータベース | 被引用数分析ができる | 有料サービス |
研究の目的や分野によって、これらを適宜使い分けるのが理想です。
まとめ
Google Scholarは、研究者にとって強力な文献検索ツールですが、基本的な検索だけではそのポテンシャルを十分に活かせません。本記事で紹介したテクニックを活用し、より効果的に文献検索を行いましょう。
あなたの研究活動を加速させるために、Google Scholarをフル活用しましょう!