はじめに
論文投稿において、実はカバーレター(Cover Letter)は重要な文書です。
単なる形式的なものではなく、論文が査読に進むためにEditorに対して研究の重要性を訴える必要があります。
この記事では、カバーレターの作成方法について解説します。
適切に書かれたカバーレターは、研究がどのようにその学術分野に貢献するかを明確にし、論文が学術ジャーナルに受理される可能性を高めることができるでしょう。
カバーレターのサンプル
まずは、サンプルを提示します。こちらを元に書いていただければ早いです。
※こちらはChatGPTに下書きをさせ、それを修正したものです。ディープラーニングを使った認知症研究についての論文の投稿を想定しました。
[Date]
Dr. [Editor’s Name],
Editor-in-Chief,
[Journal Name]
Dear Dr. [Editor’s Name],
I am writing to submit our manuscript entitled “Exploring Prognostic Predictions of Alzheimer’s Disease Using Deep Learning,” for consideration as a original article in [Journal Name].
In our study, we developed a prognostic model that uses deep learning techniques to predict cognitive functions in Alzheimer’s disease patients three years in advance. We used a multimodal dataset including MRI scans, cerebrospinal fluid analysis, and cognitive function tests to train our model. Our results demonstrate the model’s robust predictive performance, which we believe could significantly aid in early intervention strategies and tailored patient care.
The methodology and results presented in our manuscript could provide valuable insights to foster further research in this field. We are confident that these findings will be of interest to readers of your journal.
This manuscript has not been published elsewhere nor is it under consideration by any other journal. All authors have approved the manuscript for submission to [Journal Name], and there are no conflicts of interest to declare. All study procedures were approved by the appropriate ethics committees.
Thank you for considering our manuscript. I look forward to the possibility of contributing to [Journal Name].
Sincerely,
[Your Name]
[Your Institution]
[Your Address]
[Your Phone Number]
カバーレターのフォーマットとトーン
カバーレターを作成する際には、礼儀正しいトーンを保ちEditorの心証が良くなるように心がけましょう。
まず、カバーレターはクリアでコンパクトにまとめるべきです。余計な装飾は避け、研究のポイントを端的に伝えるよう心がけてください。文体はフォーマルで、尊敬語を使い、ジャーナルのEditorに対して敬意を示すようにします。
フォントサイズは11ポイントか12ポイントを使用し、フォントタイプはTimes New Romanが良いでしょう。
宛名
お作法通りに書いていきます。Editor-in-ChiefはジャーナルのEditorial Boardに書いてあると思います。
名前が分からない場合は “Dear Editor-in-Chief,”のように書くと良いでしょう。可能な限り探しましょう。
[日付]
Dr. [Editor-in-ChiefのLast Name]/[Editor-in-Chiefのフルネーム, MD, PhD]
Editor-in-Chief,
[ジャーナル名]
Dear Dr. [Editor-in-ChiefのLast Name],
本文の導入
はじめは論文のタイトル、論文の投稿タイプ、投稿先を書きます。
以下が例文です。
- I am writing to submit our manuscript entitled “[タイトル],” for consideration as a [論文のタイプ] in [投稿先].
- I would like to submit the manuscript titled “[タイトル],” to be considered for publication as a [論文のタイプ] in [投稿先].
論文の概要
続いて投稿する論文の概要を説明し、Editorにこの研究で明らかにしたこと、投稿する雑誌への貢献を伝えます。
私のイメージとしては、論文の本文のDiscussionの冒頭に結果のまとめをすることが多いですが、それに近いものと考えています。
以下、このパートで使えるフレーズを列挙します。
- In our study, we developed ~
- Our results suggest ~
- Our findings demonstrated ~
論文の強みと雑誌への貢献
ここは大体はお決まりのフレーズで良いのではと思います。
もし、以前に同じ雑誌に関連論文を投稿していたら、その論文との関連を述べると良いでしょう。
以下例文です。
The methodology and results presented in our manuscript could provide valuable insights to foster further research in this field. We are confident that these findings will be of interest to readers of your journal.
開示事項
ここは雑誌の投稿規程に沿っていることを示す文章になります。
- This manuscript has not been published elsewhere nor is it under consideration by any other journal.
他の雑誌では発表されていません。
- All authors have approved the manuscript for submission to [Journal Name]
全ての著者はこの論文の高校を承認しています。
- There are no conflicts of interest to declare.
開示すべきCOIはありません。
- All study procedures were approved by the appropriate ethics committees.
倫理委員会の承認を得ています。
締めの挨拶
- Thank you for considering our manuscript. I look forward to the possibility of contributing to [Journal Name].
私たちの論文を検討いただきありがとうございます。この雑誌に貢献できることを期待しています。
まとめ
今回はカバーレターの書き方を解説しました。
私もそうでしたが、はじめて論文を投稿する方はカバーレターの重要性を理解していないで軽く考えがちですが、最初にEditorが見る文書であり、それの印象が悪いとそもそもアブストすら見てもらえません。
例えば、業者に英文校正を頼んだらカバーレターのサンプルを書いてくれるサービスもあります。
さらにいうと、ChatGPTに自分のアブストを入れて、カバーレターを書いてもらうことも可能と思います。
しかし、最後は自らサンプルを見て、本当に自分の意図が伝わるかどうかは検証して最終盤としてもらう必要があると思います。