学会参加で得られるもの
精神科医にとって、学会は単なる勉強の場ではなく、専門知識の向上、人脈の構築、さらにはキャリア形成にも重要な機会です。学会では最新の研究成果に触れ、日常臨床に役立つ情報を得られるだけでなく、他の医師と交流することで新たな視点を得ることもできます。
しかし、初めての学会参加では「どの服装が適切か」「どのセッションに参加すべきか」「どのように振る舞えばよいのか」など、多くの疑問が生じるでしょう。また、学会に慣れてくると、より効果的に学会を活用する方法を考えることが重要になります。
本記事では、若手精神科医向けに、学会参加が初めての方から、より実りの多い学会体験を求める方まで、それぞれのレベルに応じた具体的なTipsをご紹介します。
1. 初級編:学会デビューを成功させるために
服装と持ち物
服装の選び方
- 内科系の学会では、発表者でなくてもスーツ着用が多い。
- 精神科の学会では、ビジネスカジュアルが一般的で、カジュアルな服装の人もいる。
- 海外の学会では、さらにカジュアルな服装の参加者が多い。
- 長時間移動を考慮し、歩きやすい靴を選ぶのがポイント。

※写真はあくまでイメージです。
持ち物リスト(学会会場)
- 参加証(事前にプリントアウトして持参する)
- 名刺(十分な枚数を用意する)
- 筆記用具(PCやタブレットでも可)
- スマホ・充電器・モバイルバッテリー
- 学会プログラム(アプリやPDF版を準備)
- 会員証(専門医の単位取得のため)
持ち物リスト(宿泊の場合)
- 着替え(楽な服装もあると良い)
- 洗面用品(歯ブラシ、シャンプー等)
- 常備薬・携帯薬
- 折りたたみ傘
- クリアファイル(資料整理用)
プログラムの選び方
- 興味のあるトピックや専門領域のセッションを優先。
- 教育講演や特別講演は初心者におすすめ。
- ワークショップは交流の機会が多く、スキルアップに最適。
2. 中級編:学会を最大限に活用するために
学会での立ち振る舞い
- 知人や指導医の発表を聞き、質疑応答に積極的に参加する。
- ポスター発表で興味のある研究を見つけ、発表者と交流する。
- 名刺交換を活用し、共通の関心を持つ研究者とつながる。
- 学会は知識を得る場であると同時に、人脈を広げる絶好の機会と意識する。
- 英語のプログラムにも積極的に参加し、国際的な視野を養う。
どの学会に参加するか?
- 日本精神神経学会総会:国内最大規模、幅広いトピックを網羅。毎年6月開催。
- 日本うつ病学会・日本統合失調症学会:専門的な知識を深められる。
- 地域の精神医学会・特定領域の研究会:交流の機会が多く、参加しやすい。
3. 学会後のフォローアップ
- 名刺交換した相手には、学会後にお礼や質問をメールで送る。
- 印象的だった研究の論文を後で調べ、さらに知識を深める。
4. よくある質問
Q: メモはどうやってとればよいですか?
A: メモ帳、学会抄録集に書く、PCやタブレット(手書き)を使用するなど様々な方法があります。重要なのは後から見返しやすいように整理することです。
Q: 事前にどのような準備をすべきですか?
A: 学会プログラムを確認し、参加するセッションを決めておくと効率的です。発表者や共著者を事前にチェックし、気になる研究者の発表に足を運ぶのも良いでしょう。
Q: 交流のコツはありますか?
A: まずは発表者や参加者に質問をしてみると会話が弾みやすくなります。共通の関心がある方には、学会後のフォロー(メールやSNS)をするのも効果的です。
まとめ
学会は若手精神科医にとって、知識の獲得だけでなく、キャリアの可能性を広げる場でもあります。初めての方は基本を押さえ、慣れてきたら積極的に交流し、専門性を高めていきましょう。ぜひ次回の学会参加の際に本記事を参考にしてください。